偲ぶ会
法人の初代理事長の命日に合わせて、亡くなられたご利用者さまを偲ぶ会を毎年行っております。
理事長からの挨拶のあと、職員が思い出を綴った手紙を読み上げます。
お手紙のひとつをご紹介しますね。
S様
S様は令和〇年〇月〇日に特養に入所されました。
ショートステイを利用されている時から、職員の皆に「ありがとうね」と笑顔で言ってくださっていたのを覚えています。
ご病気の関係で体を思うように動かすことが出来ず、自分でもたくさん思うことがあろうにも関わらず、常々、職員の事を気遣った言葉を私たちにかけてくださいました。
ショートステイの利用時は、とても元気よく車椅子上で生活されているお姿を見かけていましたが、入所前に入退院を繰り返され、特養に来られた時はベッドで過ごされることが多くなっている状態でした。
ですが、S様は変わらず私たちに気を遣ってくださり、関わるたびに「悪いね~」とおっしゃってくださいましたね。
コロナ禍ということもあり外出できない状況で、居室の窓から見える桜を見て、「綺麗に咲いてるね~。外に出てみたいんだけどこんな体じゃね~」と悔しそうな笑顔でお話しされたことを今でも覚えています。
本来であればお花見外出の時期でもありましたので、自分自身もお連れできないことへの葛藤で胸がいっぱいでした。
暑くなり始めた頃から体調を崩すことが多くなり、笑顔を見ることが出来ない日々が続き、徐々にお声も聞くことが出来ない状態となりました。
休日にS様ご逝去の連絡が入った時は本当に悲しく、そして寂しい気持ちになりました。
S様と過ごした約4か月間の思い出を忘れずに、これからも頑張っていきたいと思います。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
ほかにもたくさんのあたたかな思い出が語られ、利用者さまと職員みんなで亡くなられた方を偲びました。
この後献花をして、会も無事終了。
職員一同、初代理事長の想いを受け継ぎ、ひとつの家族のようにあたたかいホームを目指して、これからも励んでまいります。